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オペラ座の怪人

オペラ座の怪人 7月8日18時30分開演 電通四季劇場

    汐留への道

     『オペラ座の怪人』のチケット、実は今年初めて取ったチケットでした。劇団四季のミュージカルは一度は観てみたいと思っていたんですけど、今まではそんなに演劇に興味はなかったし、チケット取りにくいなら別にいいやって諦めていました。年明け、月組&東宝エリザのチケット争奪戦に備えていろいろと下準備をしたり、演劇のサイトを立ち上げようかなぁと考えたりしていたので、「やっぱり四季は観ておかないとね!」ということになって……そんな時に『オペラ座の怪人』の二次販売が開始。まだまだ先じゃん!と思いつつ、エリザのために作ってしまったカードを初使用^^; 四季のサイトで予約したんですけど、自分で席を選べるし手数料もかからないし、便利ですよね〜☆

    四季初体験!
     7月8日、汐留の電通四季劇場「海」に行ってきました。ほぼ1ヶ月ぶりの観劇だったので前日からワクワク……この興奮がたまらないんですよね〜♪劇場に入ると、な〜〜んかファミリー的な雰囲気。さすがに(?)四季、子供が結構観にきてる!帝劇や宝塚とは明らかに違う雰囲気。子供が苦手な身にはちょいときつかった?!(-"-;)

    プロローグ
    オークションのシーンからスタート。今まで全編歌のミュージカルだったので、普通にセリフを話しているのが、変に新鮮に感じてしまいました。おなじみ、「Overture」が流れてシャンデリアが天井に上がり始めるところ、舞台装置の凄さに釘付けでした☆

    第1幕第1場:「ハンニバル」
    コーラスガールの女性たちの動きにひきつけられました。手の動き、首の動かし方など、ピラミッド等の遺跡に描かれている絵を彷彿させるもので素晴らしい!「ライオンキング」や「CAT’S」で動物の動きが凄いと言われていることを思い出して納得φ(..)

    第2場:「ガラ」
    クリスティーヌの歌う「Think of me」の歌詞が心に響きました。あらすじを読んでいたので、悲しい結末が頭を過ぎって切なくなりました。「二人は別れを告げるけれど、忘れないでいてね。過ぎし日の愛を」って……ファントム→クリスの気持ちを表していると同時に、クリス→ファントムの気持ちも表しているのでは?と感じました。

    舞台上で歌うクリスに「ブラバ〜」とラウル。石丸ラウル、かっこいい〜〜〜☆あらすじを読んだ時は、レミゼのマリウス的なニオイを感じて「このキャラ、ダメかも…」と思ったんですけど、全然OK!ファントムじゃなくてラウルについていく?!

    第3場:「ガラの後」
    待ってました〜〜(^^)// 鏡の中からファントム登場です。朗々と響く歌声、圧倒されました。どんなファントムが出てくるんだろうと今後の展開が楽しみになってきました。ファントムの歌に応えて歌うクリスの「Angel of music〜♪」も素敵でした。音楽の天使として慕う気持ちが伝わってきてGOO!

    第4場:「地下の迷路」
    地下に下りていく舞台演出、びっくりしました。暗闇にろうそくの列が光っていて立体感を出しているので、地下に下りているというのがとてもよく分かる!

    クリスが階段を下りきった後、奥からクリスを乗せた船を漕ぎながらファントムが登場。二人で歌う「The Phantom of the Opera」、とても良かった……んですけど、音響のせいなのか、歌い方のせいなのか、歌にメリハリがなくて“バズーカ”な声量で迫ってこられるので、ここら辺からお腹いっぱいな感じになってきて^^; セリフを喋るように歌うミュージカルに引かれた私にはちょっときつかったような……歌はホント、上手なんですけどね^^;

    クリスが倒れた後、ファントムが歌う「The Music of the Night」、素敵な曲ですね〜〜クリスに対する愛情が溢れた歌だと思います。ただ、ゴメンナサイm(..)m 私、高井ファントムの声に心が揺さぶられなかった……素敵なんですよ。でも、ちょっとクールに感じました。感情を抑えてた歌い方だったのかもしれないけど、今の私には妖しくてあま〜〜い歌声が好みなのぉぉぉぉ〜〜〜!!

    第7場:「支配人のオフィス」
    以前、市村正親さんが四季の発声法について話されていたのを聞いたことがあって、母音だけで発声する練習をするらしいんですけど……今回実際に聞いてみて「なるほどなぁ〜」と思いました。言葉が途切れることなく滑らかに聞こえてくる!ちょいとオペラ的な歌い方?!ただ、何を言っているかよく分からない時があるんですよね^^; フィルマンやアンドレ、カルロッタたちの歌、お互いの声が消されてしまって言葉が聞こえない。メロディーも上手く重なっていない。聞いている方はちょっと辛かったかな^^;

    第10場:「オペラハウスの屋上」
    ラウルとクリスのデュエット曲「All I Ask of You」、爽やかで良かった☆ラウル、素敵だわ〜〜〜(^^*) 四季的な歌い方ってラウルみたいな貴族キャラにはぴったりなんですよね〜☆ ただ、クリスティーヌの法はちょっと私のイメージよりお姉サマすぎたかも。可憐さと魔性的なモノを持ち合わせた感じだと嬉しかったかな。

    シャンデリアが落ちる前に天井でファントムが歌う場面。「クリスティーヌ〜クリスティーヌ♪」っていう声が切なかった。この辺りから天井のシャンデリアが光り始めて……落下までの間、照明がチカチカするんですよ。ちょっと眼には刺激的。最近、こういう刺激でショックを起こすことがあるので気をつけてくださいっていう注意書きがテレビにありますけど、大丈夫かなぁ〜と勝手に心配してしまいました。シャンデリア落下、私は後ろの席だったので、正直「え、こんなもの?!」と思っちゃって^^; でも真下の席だと迫力があるらしいですね。一度は体験してみたいかも!

    第2幕第1場:「オペラ座の階段」
    「Masquerade」、ミュージカルの華やかさが存分に楽しめました。ファントムが住む地下室に置いてあるサルのオルゴールの格好をした人も出てきて面白かった(^▽^) 半分は人形とのことでしたけど、本物の(?)人間と混ざって違和感はありませんでした。ファントムがどこから出てくるのかドキドキでしたけど。

    第3場:「支配人のオフィス」
    クリスティーヌがファントムを恐れて「舞台には立たない」というところ、よく分からなかったんですよね。最初は音楽の天使として慕っていたファントムの素顔を見て怯えてしまい、心が離れていく。でも、ただ醜い顔を見て嫌いになったわけではないと、私は思うんですよね。今まで慕っていた人の知らない面や恐い言動を見せられた戸惑い、葛藤、恐怖など等、複雑な感情があった。それをクリスにはもっと表現してほしかったなぁって。

    クリスを庇うラウル、素敵でした。何でも手に入れてきた「お坊ちゃん」なんですけど、純粋で素敵〜〜と勝手に惚れてました(笑)

    第5場:「墓場」
    お墓の上に立つファントムとクリスティーヌが歌う「Angel of Music」、胸キュンでした。ファントムの、間違ってはいるけど切実なクリスへの思いが伝わってきました。クリスも本心からファントムを嫌っているわけではない?!と思いました。(ま、正体に気づいてないせいもあるんでしょうけど) 否定しながらも気になる存在じゃなかったのかなぁって。クリスティーヌの感情の展開を表現してもらえると嬉しかった・・・

    第7場:「ドン・ファンの勝利」
    いつのまにか、劇中劇で「ドン・ファンの勝利」が始まってびっくり!展開が早い上に、ますます歌詞が聞き取りにくくなって頭の中が大混乱 (TOT) クリスの気持ちも読み取れないし、でも歌は素敵だし……気持ちと音楽が分離して発狂寸前?!

    ファントムがドン・ファンに扮して「The Point of No Return」を歌うところ、ファントムの気持ちを考えると辛くなりました。クリスティーヌは入れ替わったことを知らずにドン・ファン(=ファントム)に恋の歌を歌う。でも、劇中の歌でもいい、どうにか自分を受け入れて欲しい、そんなファントムの気持ちが切なくて切なくて……

    クリスが連れ去られた後、マダムジリーがラウルを怪人の元に案内するんですけど、そんなマダムジリーにな〜んかひかれちゃいました。彼女はオペラ座のことも怪人のこともよく知っているけど、敢えて黙って見守ってきた。かっこいいなぁ〜〜〜(* ̄∇ ̄*) 「目の高さに手を上げて〜♪」は結構ツボ☆

    第10場:「ファントムの隠れ家」
    ファントムに「自分かラウルか、どちらかを選べ」って迫られて、クリスティーヌが「見せてあげるわ、私の心」って言ってファントムにキスをするシーン。メロディーは最高潮に盛り上がっていて切な〜〜い雰囲気は醸し出されてたんですけど、クリスの気持ちが伝わってこないんですよ。曲を聞いて感情は高まってきているのに、「え、なんでいきなりキス?な〜〜ぜ〜〜〜??」って疑問も湧いてくるから、私の頭はバラバラ^^; まぁ、オペラグラスでファントムの表情を見た時に全て分かりましたけど。ファントムの驚きに満ちた表情。それでいて「やっぱりダメなんだ」という悲しい諦めの表情も入っているような気がしました。

    ラウルとクリスに「お願いだ、行ってくれ〜〜」と、高井ファントムの叫び声混じりの歌声。今までがクールで感情を隠している歌い方だったが、いきなり感情爆発〜〜で恐かったけど、ファントムの切迫した気持ちが伝わってきてウルウル……ファントムが一人残された時に鳴り始めるオルゴール。そして、クリスティーヌが残したベールを抱きしめるファントム。その瞬間、私は涙がポロリ。予想していたとはいえ、やっぱり泣いてしまった・・・

     カーテンコールは、オケの音はなし、出演者全員が手を繋いで拍手に応えること4回。最後3回は幕は下りていたのですが、間から高井ファントム、坂本クリス、石丸ラウルの3人が登場。ファントムとの対決の場面で上着を脱いだままの石丸さん、素敵だった〜〜♥ 前方の席の人はスタンディングオベーション、3人に手を振って「きゃぁぁ〜〜」って^^; 傍から冷静に見てると恥かしくなってしまいますが、気持ちはよぉぉ〜〜く分かります!
     ただ、東宝の派手なカテコが普通に思えてきている私にはちょっと物足りなかったかも?!でも、普通に出てきて観客に応えるというのが普通なのかもしれないですね。

    頭がゾワゾワ?!

     帰り道、な〜〜んかお腹いっぱいのような、でも消化不良のような、変な気持ちでした。歌はさすが四季!!皆さん、とっても素晴らしかったんです。でも(音響のせいもあると思うのですが)、バズーカ声量すぎる上に、聞き取りにくいところがあって、終わった時には妙な疲労感が……^^; 同時に、頭には大きな?マーク。音楽やストーリーはとっても良かったんですけど、役の感情が伝わってこなかった……特に、クリスティーヌの感情の変化。ファントムに対する気持ちをもう少し掘り下げてもらえると嬉しかったかな。これって演じる役者さんの解釈によって変わってきて、観ている方にとってはそこが面白いところだと思うんですよね。特に、最後に怪人にキスするところと、一人戻ってきたところ。歌い方なり演技なりで個性的に表現してもらいたかったなぁ……って。
     四季は、公演直前まで出演者が分からない。出演者で売るのではなく、常に一定の水準の公演をどの場所でも提供するといった趣旨があるみたいなので、良くも悪くもスタンダードになる。それが原因で、満腹感と物足りなさを感じたのではないかなぁと思いました。もう一つは、まったく個人的な事情。私の今の好みとイメージとが合わなかったせい?!実は、この後、いろいろなサイトで歴代の怪人の感想を読んで、今の自分の好みに一番近そうなロングランキャスト版(怪人は山口祐一郎さん)を聞きました。憎らしくなるほど甘〜〜〜い歌声にノックアウト^^; 浮気するつもりはないんですけど、9月エリザで「祐さま〜♥」って言ってたらどうしよう……
     四季の演目、他にもいろいろ観てみたいですね。また違うモノを感じるかもしれないし。次はCAT'Sかな☆

    2005年7月14日 記

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