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トップページ2005年 観劇の記憶モーツァルト!

モーツァルト! 7月18日12時00分開演 帝国劇場

    呪?モーツァルト?!

     クンツェ&リーヴァイのエリザコンビのミュージカルをやる!しかもキャストが超豪華!!『モーツァルト!』のチラシを見て行く気満々だったのですが、ふと頭に過ぎったんです。モーツァルト…モーツァルト…モーツァルト……モーツァルトォォォォ〜〜(恨)
     そうなんです、私、モーツァルトが大嫌い!!全く個人的な恨みですけど、ピアノをやっていた時、曲がチマチマしてて、指使いが素直じゃなくて、なかなか合格をもらえなくて……とにかく良い記憶がない。モーツァルトの音楽は、朝の目覚めや胎教に良いって言われてますけど、私には逆効果だと思います。アイネクライネやバイオリン協奏曲を聴くとイライラしてくるのです(笑) 朝、モーツァルトで優雅に起きるくらいなら、ベートーベンの交響曲第5番「運命」でジャジャジャジャ〜ン♪って刺激的にたたき起こされる方がいい。
     そういうわけで、今回はパスしようと思ったのですが、ひょんなことから母親とミュージカルを観にいこうという話になったのです。「それならM!にしよう。もしかしてチケット代を………(ウシシシ^m^)」と本音を隠しつつ、8月公演S席を予約。後日、チケット(井上ヴォルフ)を受け取りに帝劇に行ったんですけど、これが大きな間違いでした。たまたま懐が潤っていたので、「どうせなら中川ヴォルフも!」と思い、窓口でA席をお買いあげ〜♪してしまいました。ホントはB席で良かったんだけど………(失礼な奴!)

    初のA席観劇

     5月のレミゼ以来の帝劇。1週間前に四季劇場に行っていたのですが、やっぱり私は帝劇の方が好み。舞台から遠いし、2階席だと見切れる部分が出てくるし云々、不満がないわけではないのですが、大人の落ち着いた雰囲気がある!劇場を敷居の高い特別な場所にする必要はないけど、日常とは違う“ハレ”の部分は欲しい……
     今回、初めてA席に座ったのですが、思ったより観やすかった。2階S席の端っこだったら、1階席のこっちの方が良い!ただし、オペラグラスは必須ですけど。

    第1幕:プロローグ
    妻コンスタンツェがモーツァルトの墓を訪れるシーンからスタート。「モーツァルト!」という声と共に音楽が始まって、出演者が出てくるところ、『エリザベート』のプロローグにそっくり。さすがクンツェ&リーヴァイ作品だ^^;

    第2場:ザルツブルグ タインツマイスターハウス(モーツァルトの生家)
    中川ヴォルフ登場!!姉のナンネールや父のレオポルトなど、周りの人たちは18世紀当時の服装だけど、ヴォルフはジーンズ姿。観劇前に舞台写真を観た時、違和感があるかなぁと心配したけど全然OKでした。父と息子の関係や自我の確立など現代にも共通するテーマを含んだ作品なので良い演出だと思いました。

    市村パパ、素敵でした。初めて歌声を聴いたんですけど、朗々と歌うというよりはセリフを話すような感じに聞こえました。厳しいけどヴォルフを思う親心が伝わってきました。赤いコートを買ったとはしゃぐ息子の鼻をピン!って突っついて微笑ましい(^▽^)

    「僕こそ音楽」、すっと耳に入ってきて一度聴いたら覚えちゃいそうな感じ♪中川クン、高音部分もしっかりと歌ってました。しかも綺麗に歌うのではなく、少しシャウトが入った感じのワイルドさがあって……心の叫びのような歌声に釘付けでした☆

    第3場:大司教レジデンツ(居城)の大広間
    上手より山口コロレド登場!!「待ってました〜」と言わんばかりに、観客の視線が大司教の方に集まってました。バズーカな歌声、凄かった(・o・) 音響の調子が良くなかったのか、席の位置のせいなのかは??ですが、音が割れてたのが残念。でもぉぉ……もしかして…山口さんにはマイクは必要ない?!

    実は、観劇前に「トイレシーン」や演技の感想をいろんなサイトで読んでいて、私の中でなぜか山口さんがお笑いキャラになってたんですよ(スミマセン…) なので、コロレドが出てきた瞬間、心の中で吹き出してしまって^^; でも、最後にマントをひるがえして去っていく姿は惚れ惚れ(⌒o⌒)いろんな意味で(どういう意味だ?)大きな人だからこそビシッときまるんですよね〜〜

    第6場:ザルツブルグ タインツマイスターハウスの音楽室
    ザルツブルグを出て自分を試したいというヴォルフをとどまるように説得するレオポルト。最後は旅立つことを認めるのですが、いつまでも手元に置いておきたい、でも外の世界で成長しようとする息子の気持ちも分かる。葛藤する親心が伝わってきました。「心を鉄に閉じ込めて」の中で「甘い誘惑、信じるな…(中略)…謙虚に振舞え、私の誇りとなれ」と歌われていますが、何歳になっても親にとって子供は子供。自分のことを考えてしまいました。

    第10場:ザルツブルグ 居酒屋
    吉野シカネーダー、はまり役です。“チョッピリ・ワルに、チョッピリ・カッコヨク”といったところでしょうか?!吉野さんって、レミゼのアンジョといい、大勢を先導する役が本当に上手い!!

    第11場:ザルツブルグ 大聖堂のパイプオルガンの前
    男爵夫人の「星から降る金」、ちょっとウルウルしてしまいました。「愛とは解き放つことよ。愛とは離れてあげること」という歌詞、一青窈さんの「ハナミズキ」を思い出しました。自分も親にそうしてもらってきたんだなぁ〜と思い、ちょいと感謝モード^^;

    久世さん、優しく包み込むような歌声、素敵でした。もう少し、感情を歌詞に乗せて歌っていただけると、もっと良かったかな☆ この場面に限らず、M!全体を観て思ったんですけど、一つひとつのシーンや楽曲は素晴らしいのに、詰め込みすぎて場面がブツ切れになってしまうんですよね〜〜そこがちょいと残念(ToT)

    第12場:ウィーンへ向かうコロレドの馬車
    馬車の中で頭ゴツンの山口コロレド、面白かった〜〜☆それに続くトイレシーン、堪能させていただきました(≧∇≦) 馬車を降りてから腹痛と闘いながら歩くところ、大爆笑でしたよ!しかも、さっきまでかっこよく歌ってた姿とのあまりのギャップがぁぁ〜O(≧∇≦)O ついたての向こうで何をしているのか詳しく知り…た…い?!

    第13場:ウィーンプラター公演の見世物小屋」
    ブロードウェイのミュージカルを観ているようでした(みたことないけど…) 派手でゴージャスで楽しくて♪ 手品師が火を噴くところ、ビックリしてしまいました。舞台で火を使って大丈夫?と勝手に心配^^;

    第15場:ウィーン ドイツ館のコロレドの官邸
    ヴォルフvsコロレドの闘い、迫力がありました。ヴォルフの溢れんばかりの若さと勢い、コロレドの憎々しいまでの強大な権力が拮抗していて目が離せなかった!!山口さん、元々大きい人なんですけど、いっそう大きく見えました。ヴォルフにかつらを投げつけられ、決別の意志を告げられた後、側女たちが待つ(エロ司教!)部屋に戻る時の後ろ姿、雄大で憎らしくて傲慢で、でもかっこよくて……あれ?もしかして「祐さま」の虜(・・;)

    第16場:ウィーン 街路
    「影を逃がれて」の大合唱、素晴らしかった☆ とにかく、キャストが豪華なので迫力があるんですよ〜〜 「影を逃がれて」の歌詞、ヴォルフの心の叫びでした。自分の影から自由になりたい、ヴォルフのような天才じゃなくても、誰しもが思うこと。なりたい自分、求められる自分、現実の自分……人は葛藤しながら生きていくんだろうなぁと、いろんなことを考えてました。ラスト、「モーツァルト!」と書かれた幕がバサっと下りて第1幕終了。やっぱり、エリザと演出が似てるよぉぉぉ^^;

    第2幕第2場:ウィーン バルコニー付の部屋
    ヴォルフ&コンスタンツェの新婚生活。何だか10代の早婚カップルのように見えたんですけど(笑) 西田コンスタンツェ、歌は上手だし明るくて可愛いし……悪くはなかったんですけど、歌手の西田ひかるが歌ってます!っていう感が拭えず。いまいち、コンスタンツェの気持ちが伝わってこなかったんですよ。どこかの作品紹介で「ヴォルフの稼ぎを食いつぶそうとする…」って書かれてましたけど、そんな女性像を出しているわけでもないみたいだったし、そうかといって、ヴォルフを愛しているという気持ちが伝わってくるでもないし。歌中心のミュージカルとして観るなら問題はないのかな?!

    第3場:ザルツブルグ タインツマイスターハウス
    ナンネール@高橋由美子さん、歌も演技も素晴らしかった。私が思い描いていたヴォルフの姉のイメージにぴったり♪頼もしくて優しくて、それでいて愛らしくて……市村パパとの絡みもばっちり!ヴォルフとレオポルトの気持ちに挟まれ、自分の幸せな人生も夢見ていて…「プリンスは出て行った」を歌うシーン、ヴォルフの小さい人形に歌いかけるところは正直、ヤバイ世界?!と思ったんですけど、ナンネールの苦悩がたおやかに伝わってくるように感じました。

    第5場:ザルツブルグ レジデンツ(居城)の芸術作品陳列室
    「神よ、何故許される」、バズーカ炸裂でしたわぁ〜〜あそこまで朗々と歌い上げられるとひれ伏さずにはいられなくなります。自分の世界にどっぷり浸かって指揮をしながらヴォルフの曲に聞き入る姿、大司教というよりも帝王……ただ、山口さん、失礼ながら時折意味不明な手の動きがあるんですよね^^; ほえ、何してるんだろう?!みたいな感じで。

    第7場:ウィーン ブルク劇場の舞台裏
    レオポルトとヴォルフの父と息子の対決!私は“娘”なので分かりませんけど、男の子は父親を乗り越えて大きくなっていくんでしょうね……きっと。息子を愛しているからこそ手元に置いて守りたいと願った。でも、自分から飛び立っていこうとする息子の気持ちも理解できる。その葛藤を歌で見事に表現される市村さんを見ていると心が痛くなってきました。ヴォルフにしても父親が大好きで喜んでほしいと思ったからこそ自分がスポットライトを浴びている姿を見せた。中川ヴォルフの歌う「何故愛せないの?」、高音の伸びもさることながら、心の叫びを聞いてるようでズシンときました。

    第11場:ヴォルフガングの混乱
    アマデの合図で上手から男爵夫人が現れて「星から降る金」がリプライズ。「音楽に身を捧げるなら全ての鎖断ち切るの」とヴォルフに対して大人になれと歌うんですけど、自分のことを重ね合わせてウルウルきちゃいました。ただ、歌い終わった後に消えていくところは取って付けたような感が拭えないような…そこが残念!

    第15場:「熱狂」
    「モーツァルト!モーツァルト!」の大合唱の中、必死に作曲する部分、追いつめられて追いつめられて作曲するヴォルフの姿に圧倒されました。中川クン、シンガーソングライターで早い時期から才能を発揮してきた人ですけど、ヴォルフの姿と重なり合っているように感じました。ヴォルフ役を演じているというよりもヴォルフと一体化しているように錯覚させるほど!!

    豪華なキャスティングなので、それはそれは大迫力の歌声なんですけど、迫力が増すほどにヴォルフの悲哀のように思えてきて切なくなりました。

    第16場:1791年12月4日夜遅く
    アマデが掲げる羽根ペンで自分の胸を刺して死んでしまうヴォルフ、そしてアマデ。あまりにいろいろなものを含んでいる瞬間だったので、それを受け止めるのに必死でみていました。最後に「僕こそ……」と歌いながらアマデと共に命が果ててしまう。「ミュージック」と歌いきれなかった部分にいろんな思いが詰まっているように感じました。それが何なのか、まだ自分の中で分かってないんですけど^^;
     カテコ、市村さんは上手から登場、舞台中央でキックポーズをご披露!厳しいレオポルトとは一転、お茶目なオジサマでした。山口さんは意外にも(?)普通に登場、小さな“お手振り”が可愛かった(^▽^) 最後にヴォルフとアマデが手を繋いで階段を下りてきて……その時に共演者たちと握手やハイタッチをしながら下りてくるんですけど、その姿は演奏会が終わった後に観客の声援に応えながら舞台の中央に引き出されてくる作曲者や指揮者のようでした。幕が下りた後、中川くんとアマデ役の子(ゴメンナサイ、覚えてない…)が登場。二人で投げキッスをしてくれました。超カワイイ〜〜〜♥♥♥

    恨みが和らぐ?!

     観劇後、モーツァルトに対する感情が“少しだけ”変化しました。時代的に、ついついベートーベンと比較してしまうのですが、ベートーベンに比べれば遥かに裕福な家の生まれだし、充分すぎるほどの音楽教育を受けてきた。その結果、できた曲が私にとっては鼻につくほど洗練されすぎて複雑すぎて(by レオポルト)。
     でも、ヴォルフをより人間的に描いたこの作品で、神童と呼ばれたヴォルフが天才アマデという存在に苦悩していたこと、後世に作品を残すような天才が人として幸せな人生を手に入れられるわけではないことを感じました。これって、ヴォルフのような天才じゃない、普通の人に対してもいえると思うのです。なりたい自分、希望通りの会社に入って大きな仕事をする、名誉を得る、お金持ちになる……でも同時に、温かい家庭に恵まれる、趣味を楽しむといった小さな幸せを望む気持ちもあって……世に言う「勝ち組」のように全てを手に入れる人もいるのかもしれませんが、人生はそんなにうまくはいかない。仕事人間になれば富や名誉は得たとしても他に失ってしまうものがたくさんある。小さな幸せを優先すれば狭い世界に自分を閉じ込めてしまう。
     いろいろと詰め込みすぎた作品だなぁと思いましたが、その分観る者の置かれた状況や環境によって様々なことを考えるきっかけを与えてくれる哲学的(?)な作品なのではないかな?!

    2005年8月28日 記

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