トップページエリザベートの記憶2005年 帝国劇場

9月12日ソワレ 1階W列39番

    【山口トート初体験】
     何気なく申し込んだ兄様トートのチケットだったんですけど、運良く当たってしまったので行ってきました。レミゼ以来、ちょぉ〜〜っと気になる存在だった祐サマ……抜群の歌唱力とあま〜い声で聞かせてくれるんだろうなぁ〜と期待は膨らむ一方。いろいろなサイトの感想を読んでいると「俺様オーラ」も凄いらしくて^^; 妖艶な内野トートとは違うトート閣下を見られるのがとても楽しみでした。
     ってことで、今回の感想はトート閣下中心に書いてみました。で、その山口トート閣下なんですけど……スミマセン。ファンの方には申し訳ないのですが、笑わせていただきました。1階後方で肩を震わせて笑っていたのは私です。観劇後、こんなに爽快な気分になったエリザは初めて?!

    第1幕第1場:「我ら息絶えし者ども」
    「私を燃やす愛」……内野トートとは別の意味でドキドキしながらゴンドラを待ってたんですけど、いきなり「て〜ん〜〜しのぉ〜」って付点音符っぽい歌い出しにびっくり。今まで内野トートの歌い方に慣れていたので唖然としてしまいました。歌はさすがなんですけど……“俺様オーラ”全開で何だか笑いがこみ上げてきて^^;

    でも山口さん、さすがに長身!!死者やトートダンサーたちに混ざっても圧倒的な存在感!!内野さんだとどうしてもトートダンサーたちと同化してしまうんですけど……でも、山口さんの前開きの上着、ちょいとパツンパツンなのが何ともイタイ^^;

    第4場:「冥界〜エリザベートの部屋」
    先週内野トート閣下のあまりに切ない「愛と死の輪舞」に号泣した私。スミマセン……今日は大爆笑させていただきました(≧∇≦*)「私を燃やす愛」同様に自分の歌いたいように歌ってるその自分勝……じゃなくて、黄泉の帝王の風格をめいいっぱい表したような堂々とした歌いっぷりにびっくりしてしまったもので……1拍目を思いっきり溜めた出だしにスタッカートの付いた歌い方、どこまで〜〜〜も伸ばしてしまう最後の音。ここまで“俺様”な世界を貫かれると、何か可笑しくなってしまうんですよね。ただ、シシィに恋しているか?って考えると……う〜〜ん……ノーコメント(--;)

    第6場:「バートイシュル」
    禅フランツ、やっぱり優しい。シシィの手を取ろうと両手を出すしぐさ、頼りがいがありそうな感じがして私は結構好きなんですよね〜〜「計画通り」でルキーニが「お〜〜もぉぉし〜〜ろ〜〜い♪」と歌い終わった後にシシィとフランツが駆け寄って顔を見合わせて微笑みあうんですけど、普通の若い恋人同士で微笑ましくて……ただ、いつも思うんですよね〜〜若いから見えてない部分もあるのね〜って^^;

    第8場:「ウィーン・アウグスティン教会」
    山口トートと内野トートの違いを発見!内野トートは「誰一人し〜らぬ帝〜国の滅亡」のソロの直前でベールをめくって、そのベールを操りながら歌うんですけど、山口トートはソロが始まるまではベールに隠れたまま……ソロの時も身動きなしで堂々と立ったまま歌ってました。さすが帝王か?!

    「全て汝の意志に間違いはないか」の後の笑い声、凄かったです。最初は「ハハハ〜」なんですけど、段々「ヒャァ〜ハハハ〜〜」ってヒートアップ!!山口さん、笑いすぎ^^;

    第9場:「シェーンブルン宮殿の鏡の間」
    「最後のダンス」……スミマセン、笑いすぎて顔が熱くなってしまいました^^; 「あなたの愛を〜」の歌い出しから“俺様ワールド”炸裂で……「愛と死の輪舞」同様、第一声の溜めの長さにスタッカート、もうやりたい放題というか、音符もオケも操ってる山口トートでした!しかも、シシィはトートダンサーたちに弄ばれてるのに山口トートはシシィにほとんど絡まず^^; 歌の方が大事☆って感じだったんですけど。で、最後の「お〜れ〜さ〜」は、またまた両手を広げてどこまで〜〜も伸ばされる。もう、笑いすぎて死ぬかと思った^^;

    でも、「お前は〜おれぇぇ〜と〜おど〜るさぁぁ〜〜だめ〜」のところのビブラートは素晴らしかった!あれは確かな歌唱力がないと出来ないことだと思います。聞きほれちゃいました(^▽^)

    第13場:「ハンガリー訪問」
    長女ゾフィーの死の後の「闇が広がる」の歌い出し。噂には聞いてましたけど、しゃがれた声で歌い始める山口トートに唖然。どういう意図の演出なのか(・・?)です。亡くなった娘の声が聞こえてることにしているのか、単にトートの不気味さを表しているのか……去年は普通に歌ってたらしいんですけどね〜〜

    第15場(B):「エリザベートの居室」
    フランツに最後通告の手紙を渡した後、シシィを誘惑するトート閣下なんですけど、内野トートのように机に座ったりはしないんですね〜〜しかもどっしりとシシィに近づいてきて普通に後ろに回って抱きしめつつ、ここはあま〜い声で誘う。別にトート閣下に萌え〜な要素が必要不可欠とは思いませんし、山口トートにそれはありえないと思うんですけど……何か物足りないような(笑) それって私は腐女子になりつつあるということなんでしょうか?!シシィに「出ていって」と拒まれて山口トートは羽根ペンを床に投げつけるんですけど、その羽根ペンをその前からおもむろに持っているところがちょいと笑える。

    第17場:「エリザベートの更衣室〜鏡の間」
    ごめんなさい。やっぱり笑ってしまいました。トート閣下が唯一「愛してる〜」って面と向かって叫ぶ切ないシーンのはずなんですけど……やっぱり朗々と歌い上げてしまう山口トート^^; 山口トートの場合、シシィを追いかけ回すというよりも堂々と待ってるタイプだと思うので、こんな感じでいいのかもしれないですけどね〜〜

    第2幕第1場B:「戴冠式」
    フランツとシシィが乗る馬車に飛び乗って操るトート閣下……スミマセン、もう少し軽やかに乗っていただけると嬉しいかも?!鞭さばきもちょいと苦戦しているような……あ、貫禄があるところは素晴らしいですよ(遅いって?)。

    「私が踊る時」でコートを脱ぎ捨てて馬車から降りる時も両トートで違うんですね〜〜内野トートは御者台から直接飛び降りるんですけど、山口トートは人が乗る部分から階段をつたって普通に降りてて……しかも、トートダンサーが脇に従ってて……馬車から落ちないように見守ってた?!ってまさかね〜〜

    第2場:「ルドルフの部屋」
    チビルドと手を合わせたり、手渡された剣をチビルドの方に向けてツンツンってしてみたり……山口トートだと冷たさはないんですよね。むしろ温かさというか、余裕が感じられて……しかも、トートとは関係なくて、素の山口さんもこんな風に子供と遊んだりするのかなぁ〜って想像しちゃいました。

    第12場:「ルドルフの部屋」
    「闇が広がる」は素晴らしかった!!地の底から這い上がってくるような歌声に圧倒されてしまいました。パクルドの歌声に絡みつくような響きに文句なしに感動!!毎回ショーストップになるのも納得!!

    第13場:「ハンガリー独立運動」
    ここら辺からトートがルドルフを死へ向かわせていくんですけど、山口トートの場合、「面倒だけど黄泉の帝王の仕事だからしょうがないか〜〜」って思わせるところがあるんですよね。別に悪い意味じゃなくて、帝王の貫禄が存分に表れてるって意味なんですけど。

    革命家たちがルドルフを祭り上げるシーンでの閣下のダンス、山口トートもトートダンサーたちと踊るけど、ちょいとダンスを切り上げて歩くタイミングが早いような……でも、ダンスは正直ちょいと…ね^^;

    第15場:「マイヤーリンク」
    ルドルフとのキスシーン、思わず「短いっ」と思ってしまった私は腐女子でしょうか?!まぁ、内野トートが長すぎるし妖艶すぎるわけで……あれが普通になってはいけないのかもしれませんけど(私はそっちは好み♥)。山口トートの場合、キスする前に既に拳銃を持っているしキスもあっさりしてる。って、キスがそんなに重要か?って感じですけど。

    第16場:「葬儀」
    今にも倒れそうになりながら部屋に入ってくるシシィを支える禅フランツが、これまた優しいんですよね〜〜ずっとシシィを愛し続けているフランツの愛情が伝わってきて切なくなってホロリ(>_<。)。。

    第18場:「コートダジュール」
    「夜のボート」、綜馬フランツの安定した素晴らしい歌声もいいんですけど、禅フランツだとそれまでに表現されている優しさやシシィへの愛情がよりオーバーラップされるので切なくなってしまいます。しかもより人間的で熱い皇帝なので、二人が幸せになれなかった運命の皮肉さが哀しくて……(泣)

    第19場:「悪夢」
    マエストロ姿の山口トート……嬉しそうにリズムをとる姿がなぜか微笑ましくて(⌒◇⌒)でも、そのリズムが狂っていないところはさすが!フランツとの対決も、シシィをめぐった争いというよりも、余裕でフランツを弄んでいるような印象でした。ルキーニにやすりを渡す時もあっさり投げてました。やっぱりやすりにチュッはない……ですよね^^;

    第20場:「暗殺」
    シシィが胸に飛び込んできてくれた時の笑顔、すっごい温かい感じがしました。死の接吻も大人の穏やかなキスといった感じで……あの胸はホント、温かそうですね。クマのぬいぐるみに飛び込むみたいな感じなのかなぁ〜〜(ファンの方、スミマセン)で、ほんわ〜かした気分で幕切れ!だったはずなんですけど、ほ〜〜んと、ごめんなさい。最後の「俺だけに〜〜」で大爆笑(>y<)最後の音でクレッシェンドがかかってボリュームはどんどん大きくなるし、それに合わせて声質はどんどん明るくなるし……シシィをゲットできて嬉しいのは分かるけど、閣下、もうちょい我慢!って突っ込みたくなってしまいました^^; もちろん、周りは惚れ惚れ聞き入ってたし終わった時は割れんばかりの拍手だったんですけどね〜〜本当にすみませんでした。こんな爽快な気分のエリザは初めてかも。

     カテコ、山口さんは小さなお手振りでした。でも、ちょっと悪戯っ子っぽい表情が可愛かった〜〜(*^▽^*) 4回目、一路さんと仲良く手をつないで登場!二人で笑いながら手を振っていらっしゃいました。山口さん、長身なので一路さんと並ぶとバランスがいいんですよね〜〜しかも、そんな大柄な体とは対照的な小さな手の振り方が何とも微笑ましくて……♪

    【正反対のトート閣下】
     M!の時もダブルキャストの楽しさを味わいましたけど、今回ここまで正反対のトート閣下を見せられてダブルキャストの面白味を遥かに超えた可笑しさみたいなものを感じました。M!の時と違って、片一方のキャストに魂を抜かれてしまった目で見ているので、正直公平に見ていない部分はあるのですが。
     山口トート閣下、「黄泉の帝王」そのものでした。最後にシシィを迎えるシーン、内野トートの時は涙なしには見られない(今年は特に…)。単に結ばれてよかったとかそういうのではなくて、とにかく切なくて切なくて……それに対して山口トートは、切なさは微塵もなくて「まっていたよぉ〜おいで〜」と余裕な感じで手を広げられて、とても温かい雰囲気を感じました。シシィとのキスも大人な感じにしっとりと……
     ただ、何回も観たいかというと……観劇後に爽快な気分にはなるんですけど、何か物足りないというか……死のエロティシズムみたいなものが足りないような、心に抉るものがないような……ルドとのキスシーンも短かったし。別にトート閣下に“萌え〜”な要素が必要不可欠というわけではないんですけど、あそこまで“俺様の世界”を貫かれると……もう一人の閣下の苦悩を分けてあげたいような気分になります。
     トート閣下とトートダンサーズ(以下TD)をみて思ったのですが、山口トートだとTDは「うちの主人がま〜た何かやってるよ」「あ〜あ、また仕事を頼まれちゃったよ」って感じで“お仕事”をしてるキャラに見えるんですよね。それに対して内野トートだと「うちの主人、タブーに足を踏み入れちゃってどうにもならなくなってるから、俺たちが何とかしてあげないと」みたいなキャラになっているような気がしました。TDとの関係までも変えてしまうトートの役作り、凄い役なんだなぁ〜と思いました。

    2005年9月18日 記

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